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亜蘭知子のシティポップ名曲15選【MIDNIGHT PRETENDERSに世界が注目!】

亜蘭知子シティポップ名曲選

ザ・ウィークエンド(The Weeknd)の「Out of Time」でサンプリングされ、世界的に注目が集まっている亜蘭知子の「MIDNIGHT PRETENDERS」。

今回は「MIDNIGHT PRETENDERS」を含む亜蘭知子のシティポップを、30年以上聴き続けているマニアが厳選してお届けします。

亜蘭知子のシティポップ名曲15選

シティポップの視点で選んだ亜蘭知子のオススメは次の15曲です。

  1. MIDNIGHT PRETENDERS
  2. ひと夏のタペストリー
  3. I'm in love
  4. BLUE NOTE
  5. Relax
  6. Trick of The Night
  7. Waterless Pool (水のないプール)
  8. Slow Nights
  9. Busy City
  10. Drive To Love (愛の海へ)
  11. E☆SPY
  12. Parking -It's Only Love-
  13. Sunny Side Love
  14. Dancing Island
  15. と・も・だ・ち

詳しく紹介していきましょう。

MIDNIGHT PRETENDERS

アルバム「浮遊空間(1983年)」から。

ビーイングの「イメージ・フォーラム」に所属していた西村昌敏(現・西村麻聡)プロデュース作品です。

ザ・ウィークエンドが「Out of Time」でサンプリングしたことで注目されましたが、実はこのアルバム、シティ・ポップと呼べる楽曲は3割ほど。

あとの7割くらいはニュー・ウェイヴ歌謡です。

1983年頃のビーイングは麻生小百合の「ぴんく」といいキッチュな路線を狙っていたのか、「HANNYA」なんて珍妙な楽曲も収録されています。

考えてみたら「浮遊空間」という四字熟語タイトルもプログレめいていて一癖あります。

「MIDNIGHT PRETENDERS」の作曲は織田哲郎。

亜蘭知子が自ら作詞をしているので、のちにTUBEでヒットを連発した織田・亜蘭コンビの初期の楽曲ですね。

織田哲郎によると、デルフォニックス、シャイ・ライツ、スタイリスティックスらフィリ―ソウルのバラードを意識して作ったとのこと。

もしかしたら、ザ・ウィークエンドも「MIDNIGHT PRETENDERS」にそんな匂いを感じとったのかもしれません。

近年はシルク・ソニックやドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズといったフィリ―ソウルを再現するグループも出てきていることだし、旬な音だったのでしょう。

西村昌敏のベースに北島健二のギター、水原明子のふわっとしたコーラスが乗り、絶品のメロウグルーヴを奏でています。

音だけでなくクリスタルな世界観を映した歌詞もスバラシイ。

MIDNIGHT PRETENDERS/背中のホクロを/なぞれば/にじむ涙/uneasy heart

なんにせよ、長らくシティポップ・ファン以外にとっては知られざる名曲のひとつだったのが世界的に有名になるのは喜ばしいことです。

ひと夏のタペストリー

アルバム「浮遊空間(1983年)」から。ベーシスト・西村昌敏プロデュース作。

リズムパートは打ち込みながらも、ベースのグルーヴは強い。ギターは北島健二。

西村とはのちに「FENCE OF DEFENSE」を結成する仲だったからか、ベースとギターの相性が抜群にいい。

I'm in love

アルバム「浮遊空間(1983年)」から。

アメリカのポッドキャストでもBGMに使用された楽曲。

前半の静けさから後半に北島健二のギターがうなる「静と動」の展開へ。

「I'm in love,with your Love,I'm in love」のコーラスは水原明子によるもの。

1985年に高村亜留も歌ったことで、シティポップ・ファンに人気の一曲です。

BLUE NOTE

笹路正徳プロデュースの「色彩感覚(1982年)」から。

ミニマムなベースとドラムのハネるリズムに単音ミュートのカッティングが絡むイントロは完璧なシティポップ・マナーです。

亜蘭知子の溜め息のような歌声も楽曲の世界観を的確に表しています。

Relax

カシオペアの向谷実プロデュースアルバム「More Relax(1984年)」から。

カシオペア・メンバー(当時)櫻井哲夫がベース。

スラップベースが強烈な楽曲ながら、ポップな歌メロとサビのウィスパーボイスがなんともいえないほどスイート。

Trick of The Night

カシオペア勢に青山純、佐藤博らシティ・ポップ系ミュージシャンが集結した宮住俊介プロデュースアルバム「IMITATION LONELY -都会は、淋しがりやのオモチャ箱-(1985年)」から。

イントロから「Drumulator」と思われるドラムマシンがドカドカ鳴る和ブギー好きが喜びそうな一曲。

竹内まりや「プラスティック・ラヴ」のように「都会で生きる寂しさ」を歌っている点でシティ・ポップ度は高め。

作曲:佐藤 博 編曲:鳥山雄司の2人のコンビネーションもポイントです。

Waterless Pool (水のないプール)

「More Relax(1984年)」から。イントロから高水健司の骨太な大仏ベースがグルーヴを主導、松下誠のギターがそれを補強します。

演奏の熱気に亜蘭知子のクールなボーカルが乗ると見事なシティ・ポップに。

Slow Nights

「More Relax(1984年)」から。カシオペアのギタリスト・野呂一生の提供曲。

なのに本人は一切ギターを弾かず、松下誠が名プレイを披露しています。

高水健司のミニマムなベースも相まってバックはシティ・ポップ、亜蘭知子の歌はしっとりしたAOR歌謡といった好バランス。

Busy City

「IMITATION LONELY -都会は、淋しがりやのオモチャ箱-(1985年)」から。

Aメロの歌い出しから、「これぞシティ・ポップ」としか言いようのない世界観は作曲者・山川恵津子によるメロウマジック。

歌詞はアルバムのタイトルを如実に表しています。

Drive To Love (愛の海へ)

カシオペアの向谷実プロデュースアルバム「More Relax(1984年)」から。

カシオペアメンバーの他、高水健司、松下誠らも加わり、スリリングな演奏が聴けます。

夏のドライブの裏定番的な一曲。

E☆SPY

「More Relax(1984年)」から。高水健司のスラップベースがグルーヴをグイグイ引っ張ります。

亜蘭知子の力まない程よい脱力加減のボーカルが軽快。

Parking -It's Only Love-

織田哲郎プロデュースアルバム「MIND GAMES(1987年)」から。

ブロウ・モンキーズのテイストが感じられるミディアムグルーヴの楽曲。

渋めのブラスと随所にブルーノートが入るところがオダテツ印です。

間奏に挟まれるディミニッシュ・コードの音も気持ちいい。

Sunny Side Love

アルバム「Sunny Side Memories(1990年)」から。

TUBEの「サマー・ドリーム」の女性版とも言うべき夏のはじまりの高揚感を切りとった名曲。

「砂まじりのCheek to cheek/終わらないParty/笑いころげてたい」といった動きのあるシーンを連ねた歌詞が印象的で、作詞家としての亜蘭知子が動作を描写するのに長けていたかを改めて感じさせます。

イントロで聴けるシティ・ポップ系ギタリストがあまりやらないロック寄りのギターフレーズ。

誰が弾いているのか調べてら、元もんた&ブラザーズの角田順でした。

作曲はドラゴンボールZのテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」などで知られる清岡千穂。

Dancing Island

アルバム「Stay In My Eyes(1989年)」からのバブリーな常夏リゾートソング。

作曲:清岡千穂・編曲:萩田光男という珍しい取り合わせ。

この時期の萩田光男のアレンジは柔らかい音を重ねるのが特徴的で、ここでもふわふわしたシンセや丸みのある楽器の音が層を作っています。

と・も・だ・ち

なんとドラム青山純、ベース伊藤広規の「A*I」コンビが参加。

レジェンド2人の寒気がするほど息の合ったグルーヴにシティポップ・ファン感涙必至。

間にひそむギターはフュージョンバンド「ディメンション」の増崎孝司によるもの。

おわりに

今回は「MIDNIGHT PRETENDERS」に興味を持った人が次に聴くべき亜蘭知子のシティポップを15曲厳選して紹介しました。

このほかにも亜蘭知子の作品にはシティ・ポップとして優れた楽曲がたくさんあります。

興味を持ったら、ぜひアルバムごとに聴いてみてください。

  • この記事を書いた人

kinuzure

人生の大半の時間を中古盤DIGについやしてきたポップスマニア。いまだに大人になれていないクリスタルな四十路男。【来歴】1980年代、幼少期にAORと歌謡曲を聴いて育つ。 海外のAORを数多く聴いていたものの、あるとき「AOR歌謡」を発見。強く惹かれる。【好物】レコード/古本/1980年代/生クリーム/コーヒー/ウィスパーボイス/ディミニッシュコードの響き

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