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似てる曲が急増中?「テイク・オン・ミー」のリズムを使った日本のポップス15選

テイクオンミーが元ネタの曲

1985年にヒットを記録したa-haの「テイク・オン・ミー」のリズムの引用が、2020年代に入ってから世界的なトレンドになっています。

きっかけは2019年後半に発表されたザ・ウィークエンドの「Blinding Lights」。以降、洋楽では以下の曲にも「テイク・オン・ミー」の影響が見られました。

もはや猫も杓子も「テイク・オン・ミー」状態。その波は日本にも及んでいます。

そこで今回は、日本のポップスから「テイク・オン・ミー」のリズムを使った作品を紹介します。

「テイク・オン・ミー」のリズムを使った日本の曲15選

まずa-haの「テイク・オン・ミー」がどんなリズムか、いま一度原曲でチェックしてみましょう。

独特なグルーヴの8ビートが一度聴くと耳に残ります。

そんな「テイク・オン・ミー」のリズムを取り入れた日本の曲は以下の通りです。

  1. 今市隆二/Future Lover
  2. Sexy Zone/Purple Rain
  3. 緑黄色社会/ピンクブルー
  4. lyrical school/DRIVE ME CRAZY
  5. 森大翔/ラララさよなら永遠に
  6. MARiA/Think Over
  7. Lafuzin/キャリー・ストーリー
  8. 武藤彩未/again again
  9. Ado/新時代
  10. Rip van cats/Scent of mine
  11. 里咲りさ/輪廻転生
  12. AMEFURASSHI/SENSITIVE
  13. CAPSULE/ギヴ・ミー・ア・ライド
  14. 花澤香菜/Don't Know Why
  15. 伊藤銀次/夏のシャングリラ 

では詳しく紹介していきましょう。

今市隆二/Future Lover

三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル・今市隆二の3枚目のソロアルバムから。

アルバムのテーマ自体が80年代レトロフューチャーで、オープニングを飾るこの楽曲の設定も映画「ブレードランナー」の世界観をまとった「レプリカントとの恋」。

日本版「Blinding Lights」ともいうべき完璧な「テイク・オン・ミー」のオマージュ作品に仕上がっています。

Sexy Zone/Purple Rain

2023年6月リリースのグループ9枚目のアルバム 「ChapterⅡ」からのリードトラック。

「テイク・オン・ミー」→「Blinding Lights」の流れよりは、「STAY」からの発想に思われます。

あるいは曲名から考えると、80年代全般へのオマージュなのかもしれません。

緑黄色社会/ピンクブルー

4人組バンド・リョクシャカこと「緑黄色社会」が2023年5月にリリースしたアルバムの表題曲。

華やかピンクに、ちょっとだけブルージーな表情をのぞかせる歌声で時代の気分をうまく表現しています。

lyrical school/DRIVE ME CRAZY

もともとは女性だけで結成、2023年から男女混成となったアイドルグループの配信リリース作品。

テイク・オン・ミーをアップデートさせ、シンセの響きを立体的に仕上げています。

森大翔/ラララさよなら永遠に

北海道出身のシンガー・ソングライターにしてギタリストの森大翔による配信リリース曲。

テイク・オン・ミーのリズムにギターをフィーチャーし、イントロから一気に駆け上がっていくアレンジに仕立てられています。

MARiA/Think Over

音楽ユニットGARNiDELiAのボーカリスト・MARiA(メイリア)のソロ曲。

GARNiDELiAにもテイク・オン・ミーのリズムを下敷きにした楽曲がありましたが、evening cinemaの原田夏樹が提供したこの曲は、もっとレトロ色が出ています。

Lafuzin/キャリー・ストーリー

田村三果とBRIAN SHINSEKAIのカップルで結成したポップス・デュオ「Lafuzin」。

日ごろから80年代ポップス研究に精を出すBRIAN SHINSEKAIらしい、かなりマニアックなテイク・オン・ミーのリズム引用曲です。

武藤彩未/again again

アイドルグループ「さくら学院」の元メンバー。現在はソロアイドルとして活動する武藤彩未が、2022年11月に発表したミニアルバム「glitter beat」からの先行配信曲。

リズムだけでなく、夜のフリーウェイ・ドライブが舞台のMVも含めて「テイク・オン・ミー」の疾走感をうまく取り込んでいます。

Ado/新時代

2020年のデビュー以来、快進撃を続けるシンガー・Adoが歌うアニメ「ONE PIECE FILM RED」の主題歌。楽曲を提供したのは中田ヤスタカ。

トレンドを察知して広く聴かれる曲に「テイク・オン・ミー」のリズムを入れるのが、中田ヤスタカらしい抜かりのなさです。

Rip van cats/Scent of mine

「ネオレトロポップス」を標榜するバンドが2023年に発表したミニアルバム「Mirage」から。

トライアングル・サウンド」とシンセポップ歌謡の中間を狙って作られたと思われる曲。

後半は2020年代っぽい音にしてあります。

里咲りさ/輪廻転生

アイドルグループ「少女閣下のインターナショナル」で活動しながら事務所の社長も務める里咲りさが2021年にリリースしたシングルから。

「テイク・オン・ミー」のリズムから、ウィスパーボイスを乗せて駆け抜けます。

歌詞・曲ともに渋谷系・フレネシの系譜です。

AMEFURASSHI/SENSITIVE

歌唱力とダンス・パフォーマンスに定評のある4人組アイドル・AMEFURASSHIが2021年11月に発表したシングル曲。

サビ終わりのリフもちゃんと引用しています。

途中からEDM的なスネアロールが入るのが印象的。

CAPSULE/ギヴ・ミー・ア・ライド

2022年に発表されたCAPSULEのアルバム「メトロパルス」からのリードトラック。

トレンドを踏まえつつも、1分以上あるイントロの長さで時代に逆行しています。

長いイントロでも立体的な音づくりにすることで、否応なしに聴かせてしまう。

「どうだ、これでも長いイントロが退屈か?」といわんばかりの中田ヤスタカの挑戦的な側面が出た作品です。

花澤香菜/Don't Know Why

声優・花澤香菜の6枚目のアルバムから。

プロデュースを務めたROUND TABLEの北川勝利は、「テイク・オン・ミー」を狙ったとインタビューで明かしています。

例えば今作に入っている“Don’t Know Why”という曲は、The Weekndが“Blinding Lights”でやっていたのと同様、元ネタはa-haの“Take On Me”なんですよ(笑)。そんなのはもう何周も回った遊びというか、元ネタ探しも「込み」でこの曲を楽しんでいて。「よし、The Weekndがそうくるなら俺は“Take On Me”をこんなふうに料理してやる!」みたいなモチベーションで“Don’t Know Why”もつくっているんですけど、感想など読むと「なんか昭和っぽい」「懐かしい」みたいな声が多くて。

花澤香菜を新境地へ導いた2人に聞く。アニソンとシティポップの交差点で何が起きている?

伊藤銀次/夏のシャングリラ

伊藤銀次が1986年に発表したアルバム「GET HAPPY」から。

伊藤銀次といえば、バンド「ごまのはえ」の時代から師匠・大瀧詠一のもとで学んだ人。

大瀧詠一が過去のポップスのスタイルを使って楽曲を制作したことにならい、当時流行していたポップスのスタイルを取り込んだのがこの曲です。

イントロであきらかに「テイク・オン・ミー」のリフを参照しつつ、リズム、曲のニュアンスも引用。

1980年代の日本でもっとも意識的に「テイク・オン・ミー」をモティーフに作られた曲といっていいでしょう。

日本のビートロックと「テイク・オン・ミー」のリズムの関係

1980年代、日本にはBOØWYやROGUEに代表される「ビートロック」というジャンルがありました。

「ビートロック」のなかには「テイク・オン・ミー」のリズムの使用が指摘されている曲がいくつもあります。

しかし「ビートロック」はスネアの音が硬質で8ビートを基調とする音作りが特徴なので、おのずと全部が「テイク・オン・ミー」のリズムになるのです。

  • BOØWY「B・BLUE」
  • レベッカ「フレンズ」
  • バービーボーイズ「夜の街」
  • 吉川晃司「キャンドルの瞳」

上記の楽曲に「テイク・オン・ミー」のリズムを感じたとしても、「システム上たまたまそうなっただけ」が実情でしょう。

おわりに

今回は日本のポップスから、「テイク・オン・ミー」のリズムを使った楽曲を紹介しました。

  1. 今市隆二/Future Lover
  2. Sexy Zone/Purple Rain
  3. 緑黄色社会/ピンクブルー
  4. lyrical school/DRIVE ME CRAZY
  5. 森大翔/ラララさよなら永遠に
  6. MARiA/Think Over
  7. Lafuzin/キャリー・ストーリー
  8. 武藤彩未/again again
  9. Ado/新時代
  10. Rip van cats/Scent of mine
  11. 里咲りさ/輪廻転生
  12. AMEFURASSHI/SENSITIVE
  13. CAPSULE/ギヴ・ミー・ア・ライド
  14. 花澤香菜/Don't Know Why
  15. 伊藤銀次/夏のシャングリラ 

ぜひ「テイク・オン・ミー」のリズムを味わって聴いてください。

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kinuzure

人生の大半の時間を中古盤DIGについやしてきたポップスマニア。いまだに大人になれていないクリスタルな四十路男。【来歴】1980年代、幼少期にAORと歌謡曲を聴いて育つ。 海外のAORを数多く聴いていたものの、あるとき「AOR歌謡」を発見。強く惹かれる。【好物】レコード/古本/1980年代/生クリーム/コーヒー/ウィスパーボイス/ディミニッシュコードの響き

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