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80年代後半に大流行!Don't get me wrongスタイルの曲15選

Don't get me wrong

プリテンダーズが1986年に放ったヒット曲「Don't get me wrong」。

1980年代後半、日本ではアイドルソングを中心にさまざまな曲で「Don't get me wrong」のリズムが用いられました。

今回はそんな「Don't get me wrong」スタイルの作品を15曲ご紹介します。

「Don't get me wrong」はモータウンビート?

まずはっきりさせないといけないのが、「Don't get me wrong」はモータウンビートかどうか。

ときどきモータウンビートとして言及されている「Don't get me wrong」ですが、私の見立てでは「モータウンビートの亜種」です。

  • モータウンビート……はねる8分音符
  • Don't get me wrong……はねない8分音符

といった違いがあります。

今回は、後者の「はねないリズム」の曲を「Don't get me wrong」スタイルとしてピックアップしていきます。

Don't get me wrong スタイルの曲15選

「Don't get me wrong」スタイルの曲を15曲集めました。

  1. 本田美奈子.|Oneway Generation
  2. BaBe|YOU!YOU!YOU!
  3. 早瀬優香子|アイリーン
  4. 中村あゆみ|ともだち 
  5. ラリーHurry Up|今井麻起子
  6. 少女隊|HURRY UP!
  7. 森川美穂|心のパーキングゾーン
  8. 久宝留理子|キャンセル待ちじゃない
  9. 井上陽水|Love Rainbow
  10. アブナイCANDY|増田未亜
  11. 酒井法子|マンモス・ラッキイBOY
  12. 安部恭弘|6月の卒業式
  13. 稲垣潤一|僕は君の味方
  14. 尾高千恵|Sentimental Heroine
  15. 福山雅治|All My Loving

ひとつずつ見ていきましょう。

本田美奈子.|Oneway Generation

筒美京平と秋元康のコンビによるもっとも有名な「Don't get me wrong」のインスパイア・ソング。

伴一彦脚本、田村正和主演のTVドラマ「パパはニュースキャスター」の主題歌にも使われました。

後年、秋元康が数多く手掛ける一連の「大人はわかってくれないソング」のはしりでもあります。

原曲のMVに出てくるハットとステッキを取り入れているのもポイント。

BaBe|YOU!YOU!YOU!

1987年にポニーキャニオンのプロモーションにより「Give Me Up」と「I Don't Know!」がヒット、その勢いに乗ってもう一発狙おうと「Don't get me wrong」スタイルで作られたのがこの曲。

リフも「Don't get me wrong」から引用しているものの、やや原曲よりリズムがはねています。

早瀬優香子|アイリーン

楽曲の持つ強いビートの上にふわふわ浮くような憂いを感じさせるウィスパーボイス。

「Don't get me wrong」スタイルともっともギャップのある一曲です。

プロデュース・編曲を担当した上田知華のアイディアと考えられます。

中村あゆみ|ともだち 

デビュー以来続いていた「ブルース・スプリングスティーン」路線からポップな方向にシフトし始めた80年代後半の作品。

明確にギターが「Don't get me wrong」を意識、リズムもモータウンビートとは違っています。

ラリーHurry Up|今井麻起子

ハスキーな歌声が魅力的なシンガー今井麻起子の事実上のラストアルバム「CANDY A GO GO !!」から。

イントロのリズムがエルボウ・ボーンズ&ザ・ラケッティアーズ「Night in New York」。

そっちで行くのかと思ったら、歌メロからリズムが「Don't get me wrong」になるという不思議なアレンジ。

プロデューサーの松任谷正隆としては単純な「Don't get me wrong」にするのは安易だと考えたのかもしれません。

少女隊|HURRY UP!

1987年発売、少女隊の9枚目のアルバム「P-CAN」から。

ギターが完全に「Don't get me wrong」スタイル。

作曲は和泉常寛、イントロのジャジーなエッセンスが効いたアレンジは佐藤準によるものです。

森川美穂|心のパーキングゾーン

森川美穂が1990年に発表したシングルから。

本家のリズムをダイナミックに展開したかのような曲に仕上がっています。

イントロは本田美奈子.を意識したかのようなアレンジ。

久宝留理子|キャンセル待ちじゃない

1993年に「男」のヒットを飛ばす久宝留理子が1991年に発表した5枚目のシングルから。

「男」の頃は中村あゆみや森川美穂のジーパンのスタイルを継承しているように思われましたが、それだけでなく「Don't get me wrong」スタイルも受け継いでいました。

井上陽水|Love Rainbow

完璧なまでの「Don't get me wrong」。

2009年の作品。歌い出しからサビにかけて、原曲に負けない強い歌メロが圧巻。

「Don't get me wrong」スタイルで作られた至高の曲です。

アブナイCANDY|増田未亜

天然のウィスパーボイスの持ち主・増田未亜の7枚目のシングルから。

ギターでなくベースでグルーヴを作っているのが本家とは違うものの、リズムがはねないところに「Don't get me wrong」らしさを感じます。

酒井法子|マンモス・ラッキイBOY

Aメロまでのバッキングのギターとキーボードのフレーズが「Don't get me wrong」しています。

Bメロからリズムがはね、サビはモータウンになります。

なお、酒井法子の曲では「クリスマス・シンデレラ」も「Don't get me wrong」スタイルです。

安部恭弘|6月の卒業式

「Don't get me wrong」をメロウにシティ・ポップのマナーで解釈した曲。

本家と同じく後半でリードギターが鳴り、せつなさが強調されます。

稲垣潤一|僕は君の味方

1987年発表のアルバム「Mind Note」から。

「Don't get me wrong」のエッジが削られてなめらかになった演奏が特徴的。林哲司らしいサビの哀愁感も聴きどころです。

尾高千恵|Sentimental Heroine

タイトルからも曲調からも本田美奈子.を意識しているのがうかがえます。

ただ、尾高千恵は抜群に歌唱力が高く、この曲のサビの歌いっぷりも見事。

売り出し方次第では飛躍していたかも。

福山雅治|All My Loving

モータウンビートに特徴的なハネ方をしていますが、Aメロから入るギターのリズムの取り方は「Don't get me wrong」です。

制作側で「Don't get me wrong」とモータウンビートは同じものという見方をしていたのでしょう。

同じようなケースに渡辺美奈代の「 不良のたまご」があります。

おわりに

今回は「Don't get me wrong」スタイルの曲を紹介しました。

  1. 本田美奈子.|Oneway Generation
  2. BaBe|YOU!YOU!YOU!
  3. 早瀬優香子|アイリーン
  4. 中村あゆみ|ともだち 
  5. ラリーHurry Up|今井麻起子
  6. 少女隊|HURRY UP!
  7. 森川美穂|心のパーキングゾーン
  8. 久宝留理子|キャンセル待ちじゃない
  9. 井上陽水|Love Rainbow
  10. アブナイCANDY|増田未亜
  11. 酒井法子|マンモス・ラッキイBOY
  12. 安部恭弘|6月の卒業式
  13. 稲垣潤一|僕は君の味方
  14. 尾高千恵|Sentimental Heroine
  15. 福山雅治|All My Loving

ぜひ「Don't get me wrong」スタイルを味わって聴いてみてください。

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kinuzure

人生の大半の時間を中古盤DIGについやしてきたポップスマニア。いまだに大人になれていないクリスタルな四十路男。【来歴】1980年代、幼少期にAORと歌謡曲を聴いて育つ。 海外のAORを数多く聴いていたものの、あるとき「AOR歌謡」を発見。強く惹かれる。【好物】レコード/古本/1980年代/生クリーム/コーヒー/ウィスパーボイス/ディミニッシュコードの響き

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