不安定でマジカル。あるいは夏っぽくノスタルジック。
「オーギュメント」はそんな響きが魅力的なコードです。
今回は80年代以降の邦楽から、オーギュメントコード進行が効いている曲をポップスマニアの私がセレクトしました。
日本一オーギュメント進行の曲を多く取り上げている記事になったと自負しています。
オーギュメントの3つの特徴
オーギュメントコードの特徴は3つ。
- 不安定な響き
- マジカルな音
- 夏の高揚感を演出
不安定な響き
オーギュメントは第5音を半音上げる増三和音のコードで、不安定な響きが特徴的。たとえばCの構成音がドミソのとき、3つ目をソ#にするとこの響きになります。
「そんな説明じゃよくわからん!」と思ったら実際に聴くのがはやい。次の2分ほどの動画でオーギュメントを使うと不安定な響きが出ることを確認してみましょう。
マジカルな音
オーギュメントコードは夢の国を思わせるマジカルな雰囲気がある音。
ポップス通の芸人・マキタスポーツは2021年1月24日放送の「カセットテープミュージック」で「オーギュメントは異次元に入ったようなワンダーランド感を出す魔女っ子コード」と力説しました。
まさにそんなドリーミーでマジカルな響きがあるわけです。
夏の高揚感を演出
オーギュメントコードは夏のワクワクするような気分を描いた曲で多く使用されています。
そのため、その響きから夏っぽい印象を受けます。
じっさい、オーギュメント進行を使った曲を集めてみると冬の曲は少なく、ほとんどが春~夏が舞台でした。
オーギュメントコード進行のパターン
今回取り上げるのは「C⇒C aug」のようなオーギュメントをクリシェとして使ったコード進行の曲。
デイヴ・クラーク・ファイブの「Because」という曲がテンプレートになるので、次の動画のコード感をチェックしてみましょう。
どこか懐かしい響きだと思わないでしょうか。
懐かしさを感じさせるのは、80年代の日本のポップスにこうしたオーギュメントコード進行を使った曲がたくさんあったから。
ピーク時に比べると減少したとはいえ、いまだにポップス界では定番のコード進行のひとつとして使われています。
そんな「オーギュメントコード進行」の曲をここでは主に以下4つのパターンを取り上げます。
- I⇒I aug⇒I 6⇒I aug(2度上って1度下がるパターン)
- I⇒I aug⇒I 6⇒I7(1度ずつ上がるパターン)
- I⇒I aug⇒Ⅳ⇒Ⅳ m(同主調転調でせつなさ演出パターン)
- I⇒I aug⇒Ⅳ(刹那的なオーギュメント効果パターン)
さあ、80年代ポップスの懐かしくエモい「あの音」を味わってみましょう。
オーギュメントコード進行の曲67選
さっそくオーギュメントコード進行の曲を紹介していきます。
レモネードの夏|松田聖子
80年代オーギュメントソングの代表作。
自作では度数上がりのオーギュメントコード進行を使わないユーミンが満を持してトライ。夏の恋の高揚感を見事に表現した傑作が誕生しました。
数年前、芸人コンビ「クマムシ」が「あったかいんだからぁ」をアカペラで歌っているのを見て、彼らの頭の中で鳴っているのは「レモネードの夏」をベースにしたオーギュメントコード進行ではないか?と思ったものです。
不思議なピーチパイ|竹内まりや
80年代で一番有名なオーギュメントのイントロといったらコレ。
歌メロからオーギュメントを排除しているのが逆にイントロの印象を際立たせています。
ハートでCatch|渡辺満里奈
イントロのオーギュメントで度数を駆け上がります。
Aメロの1周目の着地にもオーギュメントがつなぎに使われてBメロで一度感情を抑えてからサビでオーギュメント爆発。
ドライブ・ソング|EPO
オーギュメントを随所にはさみこんだ作品が多いEPO。
ここでは「止まらない恋心」を度数アップするオーギュメント進行で表現しています。
Waiting for You 岩崎良美
あまり派手に動かないコード進行のなかでオーギュメントだけが感情をグイグイ前に進ませます。
抑制の効いた歌が秘めた恋心をうまく表現。
コーラスでなぞるところにもグッときます。
デリケートに好きして|太田貴子
アニメ「魔法の天使クリィミーマミ」のオープニングテーマで、サビのオーギュメント進行が有名な曲。
松武秀樹による流れ星をイメージしたSEが印象的で聞き逃しがちですが、実は冒頭の1音目もオーギュメントです。
オーギュメントからスタートする曲は珍しく、日本では他にティンパンアレイの「ろっかばいまいべいびい」くらいしか思いあたりません。
しかもそれを一切気持ち悪く聞こえないようまとめている編曲家・大村雅朗の手腕が見事。
もちろん、魔法少女のマジカルな変身を表現した作曲家・古田喜昭によるサビのオーギュメントも聴きどころです。
憧れのラジオガール|南佳孝
アメリカンポップスをビートルズ風のコーラスで仕上げたブリティッシュ・アメリカンな作品。
ラジオから流れるヒット曲のイメージをオーギュメントコードに託したかのよう。
思いきりアメリカン|杏里
音楽プロデューサー・小林武史の出世作。
歌い出しに刹那的オーギュメントが使われているのは、異国アメリカの地に降りた歌詞とシンクロしています。アメリカをオーギュメントコード一つで表しているとも。
Bメロのディミニッシュも葛藤をうまく表現しています。
ジュリエット|安部恭弘
コーラスラインからホール&オーツの「It's a Laugh」をモティーフにしていると思われる曲。
なんだかクールでキザな歌詞だと思っていると後半の「枕元に隠した/薬瓶の中身は/もう捨てたよ」に一撃をくらいます。
トゥナイト|佐野元春
ビリー・ジョエルの「MY LIFE」を下敷きにしたアレンジが印象的な作品。
動的なオーギュメントコードでニューヨークの夜の喧騒を表現しています。
佐野元春作品では「i’m in blue」のサビもオーギュメント進行ですが、あちらはどちらかというと冒頭のグニャッとしたディミニッシュの方が目立っています。
ダンスのリズムを変えて|松本伊代
亀井登志夫の作品。
Aメロがオーギュメント進行です。Bメロでも同主調転調でせつなさ演出をしたあと、サビでカラッとした展開にもっていくのに職人技を感じさせます。
松本伊代の曲はほかに「オトナじゃないの」「ハート美人」もオーギュメント進行が使われています。
真冬のコパトーン|伊藤銀次
伊藤銀次はI⇒I aug⇒Ⅳ⇒Ⅳ mのせつなさを演出する使い方が得意で、そのパターンを採用した曲がいくつかあります。
真冬に車の中でコパトーン(日焼け止め)を見つける。別れた彼女との日々を追憶する思いがオーギュメントに込められています。
グッドラックチャーム|吉川晃司
伊藤銀次による提供曲。サビでせつなさ演出パターンのオーギュメントが炸裂します。
吉川晃司は1stアルバムの「パラシュートが落ちた夏」(表題曲)でもクライマックスにオーギュメントが使われています。
そよ風のスクランブル|伊藤つかさ
近年、シティ・ポップの名盤としても再評価されている5枚目のアルバムから、一風堂の見岳章が作曲、近田春夫が作詞を担当した曲を。
サビで「ほてる ほてる ほてってしまう」「揺れる 揺れる 揺らいでしまう」といった歌詞に当てられたオーギュメントが、エモーショナルな響きを演出しています。
とまどいデイト|渡辺桂子
イントロでオーギュメントとツインギターの組み合わせという80年代ポップスの妙味。
ツインギターが鳴ってからBメロでカスタネットがカッチン、サビでシンセがキラキラした色合いを演出しているのも魅力です。
涙のマイ・ボーイ|須藤薫
肩の力の抜けた歌い出しからはじまり、サビのオーギュメントでエモーションをめいっぱい出すところに須藤薫らしさを感じます。
デル・シャノンの「悲しき街角」を下敷きにしたようにも。
ほんのちょっぴりOld man|中原めいこ
50'S的循環コードをベースにした作品。
Bメロで歌謡曲の情感を盛り込み、サビのオーギュメントで泣かせにかかる作曲センスはさすがです。
LOVE OPERATOR|原田真二
ラー・バンドの「Clouds Across The Moon」をモティーフにした作品。
本歌の宇宙船との交信が電話交換手とのやりとりにスケールダウンしていますが、楽曲的にはより盛り上がる展開をします。
原曲で飛行/浮遊感を出すためマイナーシックスが効果的に使われてるのがオーギュメントに置き換えられています。
最後の優しい夏|国実百合
80年代後半にデビュー、山川恵津子や林哲司ら作家陣に恵まれながらも病気のため数年で引退したアイドルのセカンドシングルB面曲。
林哲司の手掛けたせつなさ演出のオーギュメントの使い方が見事です。
思い出のスター・ダスト|サザンオールスターズ
横浜に実在する「スターダスト・バー」が舞台の作品。
オーギュメントにEVEのゴスペル調コーラスが彩りを添えています。
サザンのサビでオーギュメントを使った曲としては「みんなのうた」も同じパターン。
June Flight|Hi-Fi Set
リズムはエルボウ・ボーンズ&ザ・ラケッティアーズの「A Night In New York」スタイル。
ディミニッシュやオーギュメントと相性のよいリズムですが、クリシェで上がるオーギュメントが使われているケースは意外にも少ない。
Forever|浅香唯
馬飼野康二作曲、イントロからAメロにかけてがオーギュメント進行の作品。
リズム変するサビでせつなさがいき過ぎないバランスをとっています。
2022年6月21日にサブスク解禁されて聴きやすくなりました。
Fall In Love|川口雅代
「ミスDJリクエストパレード」に出演していた女子大生シンガー・ソングライターが1981年に発表した1stアルバムから。
イントロオーギュメントのパターンです。
Half Bitter Sweets|伊藤麻衣子
コーラスでスイート、サビのオーギュメントでビターな雰囲気を醸し出した作品。
サビの着地も同主調転調で苦みが出ています。
夏のヒロイン|河合奈保子
竜真知子×馬飼野康二によるラテンフレーバー全開の曲。
「ときめいてトロピカルフィーリング」というワードにオーギュメント進行が当てられるのがたまりません。
ジェームス・ディーン・ジュニア|沖田浩之
筒美京平による優美なロッカバラード。
筒美京平といえば、「サザエさん一家」や麻丘めぐみの「アルプスの少女」を通してそれまで日本人の耳に馴染んでいなかったオーギュメントの響きを全国に広めた張本人。
ここではイントロからオーギュメント攻めをしています。
ロンリネス| 桑名正博
筒美京平作品。イントロからAメロにかけて静かなのに熱い感じをオーギュメントで演出しています。
Million Nights|中村あゆみ
プロデューサー・高橋研によるコンセプト「女ブルース・スプリングスティーン」を体現していた頃のミディアム・ナンバー。
イントロから歌い出し、サビ前など随所にオーギュメントが差し込まれています。
たぶん本家ブルース・スプリングスティーンはこのようなオーギュメントの使い方をしないでしょう。
フリージアの雨|荻野目洋子
船山基紀のアレンジが秀逸。
Aメロの歌い出しにオーギュメントがはさみ込まれ、わずかな感情のゆれを表現しています。
ラストのオーギュメントが強調される展開もエモい。
ダンスホール|尾崎豊
イントロから歌い出しにかけてオーギュメントが使われています。
動的なサビでなく静的なシーンの描写にはさみこむのは感覚的な表現か。
さよならWanna be|藤原理恵
イントロからAメロにかけてオーギュメント進行。
Bメロからマイナーにかげってゆくのはアイドルポップによくあったパターンの一つです。
月夜のポプリ|BaBe
後半にオーギュメントが押し寄せるパターン。
繰り返さずに一回だけ聴かせるとコードの存在感が高まります。
じゃあね|おニャン子クラブ
イントロとサビにオーギュメント。
「じゃあね」の繰り返しで度数が上昇するのに感情の揺れが感じられます。
愛は胸に深く|Nobody
矢沢永吉の弟分2人によるデュオ「Nobody」。
TDKから移籍後のアルバムからの一曲は、それまでのポップ路線からやや塩気が強くなったものの、オーギュメントによるメロウなトーンは健在でした。
ちなみにスローモーション感覚をコードにつめこんだ矢沢永吉の代表曲「時間よ止まれ」もオーギュメントが効果的に使われています。
お引越し・忘れもの|斉藤由貴
聴かせどころまでとっておくパターン。
Bメロからコードが細かく動き出し、サビのオーギュメントで気分を高ぶらせます。
いつか何処かで|桑田佳祐
小林武史がサザンおよび桑田佳祐ソロのアレンジを担当しはじめた当初の作品。最近ではユニクロのCMソングにも使われました。
桑田佳祐のシンプルな直情的オーギュメント進行に小林武史のキーボード&シンセが複雑にからんでいます。
メリー・ローランの島|井上昌己
杉真理提供のデビュー曲。松田聖子的な80年代前半のアイドル・ポップ感が強い曲調ですが、実は1989年の作品です。
Aメロでオーギュメントが使われています。
微笑みについて|Original Love
スウィング・アウト・シスター的なアシッド・ジャズをバックにしたOriginal Loveの隠れ名曲。
キーが単なるメジャーではなく、メジャーセブンなのが渋谷系らしさを感じさせます。
タイムマシーン|藤井フミヤ
「TRUE LOVE」のヒットでソロになってからも順調だった藤井フミヤとヒットメーカー・筒美京平がタッグを組んだと話題になった曲。
ラウドなギターを鳴らすことで80年代テイストになっていません。
いかずぜ!ミッドナイトDJ|すかんち
沢田研二フリークのROLLYらしく、モティーフは「危険なふたり」。
ただ、原曲はオーギュメント進行ではないのでちょっとしたひねりが加わってます。
片道だけの恋なんて|NICE MUSIC
NICE MUSICは、91年に結成された佐藤清喜と清水雄史による「渋谷系」ユニット。
江口寿史がジャケットのイラストを描いた4枚目のシングルから。
Bメロでオーギュメントが炸裂します。
ロマンス|原田知世
スウェーデンのポップスと歌謡曲の親和性の高さを示した曲。
イントロのマイナーコードからAメロのオーギュメント進行の流れがノスタルジックでもあり、90年代らしくもありました。
楽園|THE YELLOW MOKEY
サスフォーでループ的にAメロを繰り返したあと、サビで世界が開ける感じをオーギュメントで表現。
閉鎖環境から扉を開いて楽園に行くイメージとコードが一致しています。
One more time,One more chance|山崎まさよし
オーギュメントが効いたイントロがせつない響きを演出。
この曲をギターで弾き語ってオーギュメント進行を覚えた人も多いのでは。
青葉のころ|堂島孝平
イントロから70年代ブリティッシュ・ポップス風ギターでオーギュメント進行をなぞる。
サビでもギターでわかりやすくオーギュメントをガイドしています。
PERFECT WORLD|ROUND TABLE
渋谷系を代表するユニット・ROUND TABLE。
典型的なコード進行は思いっきり典型的に楽しむ。
そのあたりに渋谷系の神髄を感じます。
リトル・ガール・トリートメント|GRAPEVINE
フォーキーなギターをバックにオーギュメントをはじめとした不安定なコードの響きが印象的な曲。
and I love you|Mr.Children
シンプルなアレンジが歌い出しからオーギュメントを目立たせています。
たださすがというべきか、サビの聴かせどころはオーギュメントに負けていません。
ミスチルは「通り雨」でもオーギュメント進行を使用しています。
愛しい人|MISIA
70年代のR&Bを感じさせるオーギュメント進行。
そのあとの展開がオーギュメントコードの個性に負けている気がしますが、歌唱力でカバーしています。
贅沢な世界|矢井田瞳
イントロでオーギュメント進行。
AメロからBメロにかけては別の不安定なコード進行を使いサビでオーギュメントが来ます。
TOKYO GIRLS TALK|高田みち子
2000年代のシティポップを代表するシンガー・ソングライター高田みち子の3rdアルバムの冒頭を飾る曲。
松木恒秀の「What is HIP?」によるアレンジは無駄がなく素晴らしいのに、それまでのアナログからデジタルに切り替わった時期だからか録音がうまくいっていません。
ギターの音が浮いて全体の音が痩せているのが残念。
チェリーチャンス|高杉ちえり
イントロからAメロにかけてオーギュメントで音を上げていったあと、Bメロで進行をゆるやかにしてサビで音をクリシェでグングン下げていく職人技な構成は林哲司によるもの。
渚のCHERRY|AKB48
羽場仁志によるオールディーズ歌謡ポップ。
波の音からのイントロにオーギュメントが使われています。
砂漠のマーメイド|山根万理奈
イントロからオーギュメント進行。
Aメロからは安定感のあるコード進行に移行します。
サビで出てくると思わせて間奏でしかオーギュメントが出ない思わせぶりな展開に。
人生は夢だらけ|椎名林檎
ここまでオーギュメントを使ってオーギュメントを感じさせない曲は他にないでしょう。
コードの動きより装飾音だらけの歌が動的だからか。
オーギュメントの個性をかき消すほど歌の個性が強いのは間違いありません。
夜を越えて|鶴
ファンク歌謡寄りのシティ・ポップ「夏の魔物」で知られるロックバンドの曲。
オーギュメントによる疾走感を狙っています。
全う|吉田山田
イントロとサビで使用。
サビの一周目でオーギュメント進行を使って二周目で使わないというワザが効いています。
ジャンアンみたい|吉澤嘉代子
恋愛関係をドラえもんのジャイアンとのび太に重ねた曲。
オーギュメント進行の典型的なニオイを逆手にとったような歌詞がうまい。
MARINE I LOVE YOU|SOLEIL
楳図かずおの名作「わたしは真悟」をモティーフにした曲。
MVでも赤白ボーダーの楳図かずおシンボルが目立ちます。
Aメロの最後にオーギュメントが入るのはマージービート風の音を得意とするグループらしい。
本音|Mega Shunnosuke
渋谷系の流れをくむアーティストMega Shunnosuke。
歌い出しからオーギュメントが使われています。
ローファイながらシンプルに仕上がった一曲。
ミミコ、味になる|田中ヤコブ
フォークロックをブリティッシュ・ポップスで包んだ「味」のあるシンガー・ソングライターの2ndアルバムから。
Aメロがオーギュメント進行。
オールドタイミーなアレンジから遁世への意思を感じさせるところ、大瀧詠一と似た匂いがします。
Laughter|Official髭男dism
ドラムとアコギをやや後ろに打つことでオーギュメントの持つ不安定感を強調。
サビで安定と不安定が交互に来る構成で葛藤を表現しています。
オーバーテイク・ミー|Mr.ふぉるて
停滞と進行をオーギュメントで表現。
けっこう随所に使われています。
理由|オレンジスパイニクラブ
茨城県出身のバンド「オレスパ」によるモータウンビートの変形的なリズムの曲。
全体がシンプルになったため、オーギュメントをアクセント的にイントロに追加したと思われます。
ファンファーレ|トレモノ
カラッとしたグルーヴが持ち味のアイランド・ポップ・バンドの一曲。
Aメロのオーギュメントがさりげない。
サンフラワー|フィロソフィーのダンス
シティ・ポップを完璧に歌いこなすアイドルグループ「フィロのス」。
「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」風のイントロからR&Bテイストの強い展開。
サビでオーギュメントが放たれます。
恋のファンフェアー|星野みちる
2010年代以降のオーギュメントの「推し曲」。
サビに行く直前のパッシング・ディミニッシュも含めて、80年代~90年代のコード進行で魅せるポップスの良質なエッセンスが詰め込まれています。
おわりに
今回はオーギュメント進行の曲を67作集めてみました。
オーギュメントは不安定でマジカルな響きがあり夏っぽいとわかったはず。
同じコード進行でも歌い手やアレンジの違いでまったく別の世界観になることも興味深いですね。
ぜひオーギュメントの響きを味わいつくしてください。